理系女子として悩んだ話

普段の作品や雰囲気からは意外に思われることが多いのですが、実は学生時代、理系の学部に所属しているリケジョでした。

今回はそんなリケジョとして悩んだ学生時代のお話をしようかと…。


みなさんの周りに理系女子はどのくらいいるでしょうか?

一般的に「理系」の学部や職場において、女性の割合は少ないことがほとんど。

私のクラスは特に少なくて、30人以上の規模で女子が3人だけでした。

受験まではあんなに理系女子の友達がいたのに、大学に入ってから女子の少なさにかなり不安になりました。きっと同期の男子はもっと絶望的だったのでしょう…。

それに、自分自身が周りの男子から避けられているようにも感じるんですよ。最終的に、みんな気を使って話しかけないようにしていたことを知りましたが、当時の私は自分に苦手意識を持たれているのだと思っていました。

なんとか同じ分野で友達を作ろうと、他大学での理系女子会に参加したりもしましたが、そういうところに参加する方はやはりとても賢くて聡明な方が多く、懇親会というよりも研究会という感じでした。

そんなわけで入学当初は身近に友達ができず、晴れて「ぼっち大学生」となったのです。


ところが、ぼっち大学生になった途端にとても大きな壁にぶつかってしまいました。

一般的に大学生は「暇で遊びまくれていいな」というイメージを持たれがちですが、自分は授業数を多く取ってしまったり、そもそも課題をこなすスピードが遅かったりして、大学にいる時間がとても長いタイプの学生でした。

それなのに課題も大学受験より難しいものが多く、自分一人ではこなせなくなってしまったのです。

学年が上がるにつれて「このままでは卒業できそうにない」という現実が見えてきた私は、これは男子でもいいから一緒に勉強する仲間が必要だと感じました。

幸いなことに、私の学年を担当していた教授が女性だったので、「先生は学生時代どうしてましたか?男子とも勉強してましたか?」と質問してみました。

その先生も学生時代は女子学生が少なかったそうで、やはり勉強は男子ともしていたようです。

「最初は男子側も気を使って話しかけてこないけど、こちらから話しかければ答えてくれると思うよ」と助言いただき、勇気を振り絞って男子に声をかけてみることにしました。


自分に苦手意識を持たれていると思っていた人も、話しかけてみると案外答えてくれるものです。

特に「質問」したいことがあると、相手も何を話したらいいのか明確になるので、勉強の話は仲良くなるいいきっかけになりました。

さらに実験などグループでこなす課題に直面した時に、話している中で相手の得意不得意を知ってうまく作業を分担できたり、相談しやすくなったりもしました。

少し時間はかかったけど、4年生になるころにはみんなで一緒にご飯を食べに行くくらいの仲になれてとても楽しく過ごさせてもらいました。

男女の友情は成り立つのかという問題があったりしますが、こちらも男子に最低限気を遣うことを忘れずにいれば成り立つのではと思っています。(恋人がいるなら伝えておいたり、勉強や研究、面白い教授のことなど、異性ではなく勉強する仲として楽しめる話題を選ぶなど。)

同じ「卒業」を目標にする仲間であることを前提に、関わっていくことが大切なんじゃないかなと思います。


こういう経緯で、コミュニケーションについて学んだ大学時代でしたが、人と気持ちよく話すために大切だと思ったのは「自分は思っているより無知であることを知っておくこと」です。

私はリケジョとして珍しがられることが多かったのですが、そんなことが気にならなくなるほどに面白い人や変わった珍しい人がいることを知りました。(特に教授は面白い方が多かったです)

そして勉強をすればするほど、自分には知らないこと、わからないことが沢山あることを思い知らされました。

学生としていろんな人に教わったり楽しく勉強できたのは、私自身が素直に無知でいられる「学生」という立場だったからなのかなと感じました。

大学でこれだけ知らないことがあったのだから、きっとこの世の中には知らないことだらけなのでしょうね。それは勉強や仕事に対してもそうだし、人に対してもそうなのだと思います。

だから、珍しい境遇の人に出会った時、新しいものや環境に遭遇した時、学生だったときのように素直に「こういう人や物事もあるんだな」と受け止められる心を持ち続けていきたいと思っています。

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